2025年7月5日、北九州で行われたラグビー日本代表vsウェールズ代表のテストマッチ。
ウェールズ相手に、日本代表は24対19で見事勝利をおさめました。
スクラムやラインアウトで互角に戦い、試合終盤に見せたカウンターからのスピードある攻撃はまさに“超速ラグビー”の真骨頂。
この勝利は、2027ワールドカップに向けての大きな一歩となりました。
でもこの「超速ラグビー」はどこから来たのか?
そして、なぜ今ラグビーが面白いのか?
今回は、ラグビーを知る人も知らない人も、一緒に“ラグビーの進化と魅力”を知ることができるように書いてみます。
ジェイミー・ジョセフが築いた「ONE TEAM」の絆
ラグビーW杯2019で日本が初のベスト8進出を果たしたとき、ヘッドコーチを務めていたのがジェイミー・ジョセフ。
彼が大切にしたのは、「ONE TEAM」という言葉に象徴されるチームの結束でした。
日本代表には多様なルーツを持つ選手が在籍します。
その一人一人の違いを認め合い、敬意を持ち、ラグビーというスポーツを通して強くなる。
ジョセフHCは選手たちに自己肯定感と誇りを与えながら、日本代表を世界で戦えるチームへと導きました。
誰も勝てると思っていない。
接戦になるとさえ、誰も思っていない。
君たちがどれだけ積み重ねてきたかは、誰も知らない。
君たちがどれだけの犠牲を払ってきたのかも、誰も知らない。
だが君たちは知っているはずだ。
我々が準備できていることを。
私はわかっている。
君たちは準備ができていることを。
2019年の快進撃、パス、走力、組織力を武器にしたスタイルは、多くのファンに感動を与えました。
2023年から再登場したエディー・ジョーンズと“超速ラグビー”
そして、2023年W杯を最後にジョセフが退任し、再び日本代表を率いることになったのがエディー・ジョーンズ。
2015年の「ブライトンの奇跡(対南ア戦)」を指揮した名将が、再び掲げたのが「超速ラグビー(Ultra-Fast Rugby)」です。
これは、相手よりも速く動き、速く判断し、速く仕掛けるラグビー。
一瞬の隙をついて、どこからでもトライを狙う。
選手たちには高い運動量と判断力、柔軟な発想が求められます。
超速ラグビーは、日本の特性を最大限に活かした新たな挑戦であり、今回のウェールズ戦ではその成果が確実に形になりつつあると感じました。
ラグビーの基本と進化したルールのポイント
ここで、少しラグビーの基本ルールをおさらいしておきましょう
- 前にパスはできない。手でパスする場合は横か後ろのみ
- トライ(5点)で得点し、さらにコンバージョン(2点)で加点
- キック(ペナルティキック・ドロップゴール)も重要な得点手段
- スクラム、ラインアウト、モール、ラックなど多様な局面がある
近年、以下のようなルール改正があり、試合はより戦術的でスピーディに:
- ショットクロック導入で、テンポが加速
- 50:22キックで、キックが攻撃の起点に
- ハイタックル厳罰化で安全性が向上
これらのルールによって、スピード・判断力・プレーの切り替えが勝負の鍵を握るようになりました。
これは、まさにエディーの「超速ラグビー」と相性が良いのです。
ウェールズ戦の勝利に見る、未来への希望
ウェールズ戦では、日本は「走って、走って、つなぐ」だけではなく、スクラムやフィジカルでも引かず、攻守の切り替えで主導権を握るシーンが多く見られました。
特に後半、テンポのある展開からのトライは、超速ラグビーの成果のひとつ。
スピード+組織+前への意志——この3つがかみ合ったとき、日本代表は今後も強豪国を脅かす存在になれると実感しました。
李承信選手の冷静な判断と光る才能
そしてもう一つ、この試合でスタンドオフ(SO)として出場した李承信選手の活躍も、今後ますます楽しみです。
李承信選手は、落ち着いたゲームコントロールと正確なキック、そして要所での速い判断力で、攻守の要としてチームを支えました。
若くして日本代表の司令塔を担う彼は、ただ才能があるだけでなく、状況を読んで「今なにが必要か」を冷静に選択できる、頼れる司令塔としての存在感をしっかりと見せてくれました。
2019年W杯以降、日本代表の“10番”は誰が務めるのかが課題でしたが、いよいよ「この人だ」と思わせるような落ち着きとひらめき。
未来のラグビーを背負って立つ選手が育ってきていることにも、大きな希望を感じました。
これからのラグビー観戦がもっと楽しくなるポイント
これからラグビーを観てみたい、という方にとっての注目ポイントは
- **連続攻撃(フェーズ)**の流れを見る
- スクラム・ラインアウトなど静から動への展開
- オフロードパスやブレイクダウンの技術
- キックの戦術的な使い方(裏を取る/前に出る)
ルールを全部理解していなくても、選手たちの表情、体のぶつかり合い、ボールがつながっていく様子に注目すれば、十分に楽しめます。
日本ラグビーは今、過渡期から進化期へ
ジョセフが築いた「ONE TEAM」の精神と、エディーの「超速ラグビー」。
この2つが融合していくことで、日本代表はさらなる高みを目指しています。
W杯2027年に向けて、日本ラグビーは成熟と再挑戦のフェーズに入っているのです。
ラグビーを知らない人にも伝えたいこと
ラグビーは「激しさ」と「思いやり」が共存するスポーツ。
ノーサイドの精神、信頼で結ばれるプレー、そして一瞬の感動——。
一度見れば、きっと好きになるはずです。


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